2009年7月5日「深い淵の底から」渡辺敏雄牧師

聖書箇所:詩編130編
1、深い淵の底から。主よ、あなたを呼びます。
2、主よ、この声を聞き取ってください。嘆き祈るわたしの声に耳を傾けてください。
3、主よ、あなたが罪をすべて心に留められるなら、主よ、誰が耐ええましょう。
4、しかし、赦しはあなたのもとにあり、人はあなたを畏れ敬うのです。

説教要旨

詩人は深い淵の底から助けを主に向かって呼び求めます。底ですから、もうこれ以上落ちることのない所であります。死を背負ったような状態で主を呼び求めて います。
そこには自分でもって、あるいは他のものでもって自分が犯した重い罪を贖うことができなという認識があります。主のみが罪を贖うことのできる御方であるこ とを彼はよく知っております。ですから主を呼び求めざるをえないのです。

しかし彼は罪の贖い主は主であることは知っておりますが、具体的にどういう形で罪が贖われるか知りません。律法には動物の生贄を献げれば、罪ゆるさ れることになって いますが、そのようなことで罪の贖いの確信を得ることはできません。主が確かにあなたの罪を贖い、ゆるすと言ってくれなければ平安はないのです。そんな主 の到来を彼は待ち望んでいます。見張りが朝を待つにもまして。

彼の希望は十字架の主イエス・キリストにおいて実現しました。彼の叫びは主イエスに届き、主イエスは彼のところにやってきたのです。何百年のあと に。そして十字架にかかられたのです。
彼は十字架を知っていませんでしたが、私たちはすでに十字架の主イエスを知っています。 十字架にこそ罪の贖いとゆるしはあるということを知っています。そのことを知っている幸いと平安を私たちはいただいているのです。