2012年11月18日「生ける命の水」渡辺敏雄牧師

聖書箇所:ヨハネによる福音書4章1~18節

説教要旨:
今日の聖書の箇所にはサマリアの女が登場しています。
彼女にはかつて5人の夫がいたことが分かります。しかしすべて離婚しています。なぜなのでしょうか。ふしだらな女だからなのでしょうか。
違います。彼女の結婚に求めるものが間違っていたからであります。
彼女は自分の利益、自分だけの満足を求めて結婚したのです。
そのような求めで結婚すれば、破綻をきたすことは目に見えています。
そんな女とイエスはヤコブの井戸で出会います。
イエスは女の問題の在り処をすぐに見抜かれます。
女がこれまで通りの生き方を続けるなら、何度結婚したって離婚することを見抜いています。
だから決して渇くことのない水を与えるといわれるのです。
彼女の求める水は自分のためという水であり、他者のためという観点が欠落しています。
自分のためということで、自己消費されて終わりです。水を共有していく、分かち合うという観点がないのです。
ゆえに、一時的に渇きは潤せても、すぐに渇くのです。渇いて、また次の夫を渇きを潤すために求めるのです。
イエスが与えようとされておられる水は、自分だけでなく、他者をも生かす水でありますから、いつまでも渇くことがないのです。自分のところから溢れ出て他者へと流れていく水であります。
自分だけでなく、他者をも生かす水こそがいつまでも渇くことのない水であるのです。
そしてそのような水こそがイエス・キリストです。キリストという生ける命の水をいただくことで私たちは永遠の命へと導かれるのです。