2009年5月31日「共存・共生の聖霊」渡辺敏雄牧師

聖書箇所:使徒言行録2章1~13節
1、五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、
2、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。
3、そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。
4、すると、一同は聖霊に満たされ、"霊"が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。

説教要旨

今日世界では多くの言語が話されていますが、言語が異なるゆえに意思の疎通ができない状況です。しかしペンテコステにおいて、使徒たちが知らないはずの言 語を話したことが記されています。
地中海沿岸のさまざまな地域からやってきた人々の故郷の言語を知るはずもない使徒たちが話し出したのです。まこ とに驚くべきことが起こったのです。

このことは聖霊が注がれるとどういうことが起こるかを象徴的に記しているといえます。すなわち、それぞれがもっている言語的、文化的、民族的背景が 違っても、意思の疎通が可能になるということです。
世界的に言語をひとつの言語に統一して意思の疎通を図るというのではなく、聖霊による意思の疎通こそが聖書が告げるメッセージであります。
さらに聖霊において主イエスが臨在するところ、さまざまな違いによって理解し合えず、 対立、反目しているところに和解がもたらされ、意思の疎通ができるようになることを 語っているともいえます。

世界的規模においてだけでなく、身近な日常生活においても対立し合い、憎み争い合っている状況があるところに聖霊が注がれるとき、不思議なことに雪 解けが起こり、お互いを隔てる壁が崩れ去り、共存・共生するような関係が築かれる可能性が生まれることをペンテコステの出来事は私たちに告げているので す。
その聖霊の中に教会は誕生したのです。その教会に生きる私たちはそういう関係づくりをこの世にあってしていく使命をまた担っているのだということも覚えた いと思います。