2010年08月08日「恐れることはない」渡辺敏雄牧師

聖書箇所:マタイによる福音書14章22~33節

説教要旨:
私たちの日常生活において恐怖はつきものです。
恐怖とは無縁の生活を望みますが、なかなかそうはいかないのが私たちの現実であります。一体私たちは恐怖から自由になれるのでしょうか。
今日の箇所でペトロも恐怖を抱いています。一つ目の恐怖はイエスを幽霊だと思ってしまったことによります。2つ目の恐怖は強い風を感じて、恐怖を抱きました。
注目すべきはどちらの恐怖も主の御声によって恐怖から自由になっていることです。
「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」との主の御声によって最初の恐怖は取り除かれています。そして次に彼は、主イエスのところへ湖の上を歩いていくと、強い風が吹いている
ことに気づき恐怖を感じ、沈みかけます。そのとき、「主よ、助けてください」と叫びます。
主イエスは言われます。「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」と。
この御声によってペトロは助けられるのです。実際には主イエスが手を伸ばしてペトロを捕まえることによって、ペトロは助けられていますが、本当の助けは「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」との御声です。
叱責にように思われますが、そうではありません。
信仰の薄い者であるにもかかわらず、疑い多い者であるにもかかわらず、主は助けられるのです。「主よ、助けてください」と主に助けを求めるとき、主は信仰の篤い者、信仰の薄い者のいかんにかかわらず、助けられるのです。
ここに私たちの救いがあります。私たちはペトロと同じように信仰の薄い者であり、神への疑いもまたもつ者であります。恐怖から自由になることができない者であります。
そんな私たちでありますが、私たちに恐怖が襲うとき、「主よ、助けてください」と叫ぶなら、主は助けてくださいます。
そして御声をかけてくださいます。「安心しなさい。恐れることない。信仰の薄い者よ。でも私はあなたを見捨てない」。