2011年04月03日「記念としての小屋」渡辺敏雄牧師

聖書箇所:マタイによる福音書17章1~13節

説教要旨:
今日の箇所でイエスの弟子たち:ペトロ、ヤコブ、ヨハネは不思議な経験をいたします。
イエスの姿の変容だけでなく、モーセやエリヤと出会うという経験をするのです。
モーセもエリヤもイスラエルの歴史において重要な役割を果たした人物であります。
その尊敬に値する2人に生きて会えることは通常ではありえないことであり、感激を引き起こさせます。
ペトロは特に感激したようで、イエスを含め3人のために3つの仮小屋を建てたいと申し出ます。
ここにはペトロの願いがあります。小屋を建て、しばらく3人と一緒に過ごしたい。そしてここで、ペトロはモーセとエリヤと会ったことを記念したい。できるなら碑を刻み、いつまでも後世に残るものとしたいとの願いから、このような提案をしたのです。
しかし神の答えは否でした。神は言われました。「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。
これに聞け」と。「これに聞け」とはイエスに聞けということです。イエスに聞けとはイエスに従えということです。イエスの受難の道をあなたがたも一緒に歩めということです。
でも弟子たちは相変わらずイエスの受難について勘違いしていました。
イエスご自身が受難するのではなく、今日の箇所では洗礼者ヨハネであると思ってしまったのです。
ここでもイエスの受難の道に対して無理解な弟子たちの姿が見えます。
3つの小屋を建て、高い山での素晴らしい経験をいつまでも続けたいというペトロに対して、神は、山を下り、受難の道を行かれる御子イエスに従えと言われました。
私たちも受難節の季節、主イエスのゴルゴタへの道を主とともに歩みたい。