2011年05月29日「新しい世界の告知」渡辺敏雄牧師

聖書箇所:使徒言行録11章19~26節

説教要旨:
今日の聖書の箇所は初代キリスト教会がどのようにして、世界伝道へと向かったかが記されています。
当初初代クリスチャンはユダヤ教の枠内で伝道活動をしていました。
ユダヤ人以外の人にキリストの福音を語るということをしてしませんでした。
しかしステファノの殉教以後、事態は変化します。
ステファノの殉教以後、律法に対して自由な態度をとるヘレニスト・ユダヤ人(ギリシャ語を話すユダヤ人)に対して迫害が起こり、彼らはエルサレムから逃れ、各地に散ることになります。その逃れた一つの都市がアンテオキアでありました。
そのアンテオキアで教会ができ、そこにユダヤ人以外にも福音を伝道する人たちが現れたのです。そして21節にもあるようにその異邦人伝道は進展し、主イエスを受け入れる者が多く誕生したのです。ここにキリスト教はユダヤ教という枠を超え、世界宗教へと発展する糸口を見つけたのです。
このことは主の御手が働くことで起こりました。主の御心は世界のすべての民の救いであります。
ユダヤ人という枠が破られることで御心は前進することになりました。
そのことのためにパウロやバルナバなどが主によって用いられることになります。
ユダヤ民族という枠が破られ、世界の民へと福音伝道が進展していくことで、それまでにない新しい世界が誕生し始めたのです。パウロが言うように「もはや、ユダヤ人もギリシャ人もなく、奴隷も自由な身分の者もなく、男も女もない、キリスト・イエスにおいて一つ」(ガラテヤの信徒への手紙3章28節)という新しい世界が明け染めたのです。